こんがりこうばしい

関ジャニ∞と安田くん。関ジャニ∞の安田くん。

「忘れてもらえないの歌」に思いを馳せる

「忘れてもらえないの歌」大千秋楽おめでとうございます!

何回も観たくなる、観たあとは舞台のことをずっと考えてしまうような、本当に素敵で苦しくて熱い舞台でした。

「忘れてもらえないの歌」が無事に大成功で終わったことに寄せて、自分なりに感じたことをまとめておきます。

主観でしかないので、解釈が違うと思われる部分もあると思いますが、感じること考えることは人それぞれなので、ご了承いただければと思います。

 

 

この舞台には、たくさんの胸に刺さる言葉が至る所に散らばっている。
特に刺さって残っている言葉をあげると、

 

「心がからっぽだと人は生きられないと気付きました。怒りでも悲しみでもいい、心が動くならからっぽよりずっとましです。でもどうせ何か詰めるなら絶望より希望にしときませんかって思います。」 

焼け野原でさまよう心が空っぽになった人々を見て気付いた滝野の言葉。
この台詞の前までは滝野さんに対してどこか胡散臭さを感じていたけど、この言葉で滝野さんがつらくても笑っている理由がわかって、一気に愛おしさが増した。
ちなみにこの言葉は、公式HPのSTORYに要約した文が見出しになっている。

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終盤、カフェ・ガルボを借金までして買い取ってマスターになった滝野。
かつての歌姫レディ・カモンテに出会って、またガルボに来てほしいと言った後。

「僕がみんなのためを思ってやっていたことも、一度だって理解してもらったことがないんです」
と涙声になりながら吐露する。
その涙声に今までの滝野さんの言動を思い出して、私はいつもここで泣いてしまっていた。
それに対しての「信じ続けるしかないね。常に信じることのみが救いで、結果に救いはないからね」というレディ・カモンテの言葉にハッとさせられた。
みんなを思っての提案がみんなに理解されなくても、騙されたとわかっても、信じ続けた滝野さんも、信じることが救いだっただろうか。


そんな滝野さんとカモンテの関係性というかふたりの雰囲気がとても好きだった。
取り壊される直前のガルボに現れたカモンテに、みんなで作った曲が"忘れてももらえない歌"になったと言う滝野。
カモンテは「忘れてもらえない歌?面白そう!聴かせて!」と滝野さんを促す。
カモンテと笑い合いながら楽しそうにニコニコして歌う滝野さん。
その笑顔が本当に素敵だったのに、突然大きな音を上げて壊され始めるガルボ
壊されていくガルボの中で、滝野さんが歌うために座ってた椅子が持っていかれそうになったのを、カモンテがしがみつくように守ったところで涙だばだば出てきて止まらなかった。

力強く、途中で泣きながらも歌い上げた頃にはガルボも完全に壊され、滝野さんの後ろには聴いてくれていたカモンテの背中と完成してそびえ立っている東京タワーの姿。
このシーンは苦しくて涙が止まらないのだけど、一方でとても美しいシーンだとも思った。

 

音楽も聴かず客引きしてた滝野さんだけど、レディ・カモンテの曲で踊っていたし、その2年後、敵性音楽の鑑賞も禁止になって2ヶ月経ってもカフェ・ガルボにいたから、きっともともと音楽は好きだったんだろうな。
そんな中で"音楽が好き"ってことが滝野さんの"売っても売っても売り切れないほど強くてでかくて次から次へとあふれ出てくるほどの魂"にになったのは何がきっかけなんだろう。
進駐軍相手にジャズをやっていくうちに、だろうか。
倉庫で演奏が初めて上手くいったときだろうか。

 

倉庫で演奏が初めて上手くいった曲『Lover Come Back To Me』を楽しそうに弾いて、噛み締めるように拍手して「参った…みんな素敵だったよ、きらめいてたよ!」と感激した滝野さんの姿が印象に残っている。


「きらめく」という言葉はこの他に2回出てきてて、(他にも出てきてたら申し訳ない。)
スターになった大が再集結したかつてのバンド仲間たちに向かって「あのときの皆さんはきらめいてましたから!」という場面。
もうひとつは「夜は墨染め〜忘れてもらえないの歌」の歌詞。

ここからは私の勝手な解釈の話になるけど、
この曲の終盤に「星はもう見えないけど 煌めきは覚えてる」という歌詞がある。
この「星」が東京ワンダフルフライだとするなら、「煌めき」は倉庫で演奏が初めて上手くいったときに感じたきらめきや大が見て感じたあの時のバンドのきらめきなのかもしれない。
「夜は墨染め」をみんなで作りながら暗転していくときの音楽でウィンドチャイムのキラキラした音が鳴るのも、この瞬間がキラキラきらめいていることを表しているのかな。
と、こじつけで解釈するなら、歌詞の通り滝野さんにも「煌めきは覚えて」いてほしいな。

 


観るたびに3時間半という長さの体感時間が短くなっていたし、滝野さんをはじめ登場人物みんなの愛おしさも増していっていた。
この舞台を観て感じたこと、胸に刺さったことは今後の人生において、どこかで支えになってくれるような、そんな気がしている。
「忘れてもらえないの歌」を観れて本当によかった。

 

安田さんを始め、キャストの皆さん、スタッフの皆さん お疲れさまでした!